ADHD(ADD)が居酒屋でバイトして見た話

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居酒屋でのバイト

 

大学1年生の時、私は居酒屋でバイトをしたことがあります。

そこはいわゆる大衆居酒屋でワイワイ・ガヤガヤとうるさく

席と席どうしも狭くて近い店でした。

 

 

席の場所が把握できない

 

出勤すると教育係りの女の先輩に店の地図が描かれたボードを見せられ

 

 

席に番号がついていることを教わりました。

 

 

小さな店で席も20席くらいしかなかったけれど

 

 

地図と実際の席がなかなかリンクしなくて大変だったのを覚えています。

 

 

そしてさらに混乱したのは、大勢のお客さんが来た時は席と席をくっつけたり、離したりするのです。

 

 

その時だけは席の番号が増えたり減ったり…。

 

 

私は何度も料理を運ぶ場所を間違えました。

 

 

そしてその度に席番号が書いてあるボードを見返したけれど全然地図が入ってきません。

 

 

もちろんメモも取っていたけれど、焦っていてグチャグチャで

 

 

家に帰って見返してみても自分でも理解できないことばかりでした。

 

 

でも最初はみんなそんなもんだろうと思ったし、やっていけば自然と慣れるはずだと信じていました。

 

 

質問するのが怖い

 

 

席番号をいくら確認しても自信がなかった私は

 

 

キッチンから料理が出てくる度に「これはあそこの席であっていますよね…?」と確認しました。

 

 

先輩は最初は丁寧に教えてくれたのですが

 

 

10回くらい一緒にシフトに入ったあたりから、だんだん面倒くさそうに答えるようになり

 

 

ついにはタメ息をつくようになりました。

 

 

怖かった…。どうして本気で覚えよう覚えようと思っているのに覚えられないのか不思議だったし

 

 

早く仕事を覚えて周りに迷惑をかけないようにしなくちゃ!

 

 

って思えば思うほど、実際の行動に釣り合いが取れずただただ焦りだけが募っていく。。

 

 

そして次第に質問するのも怖くなっていきました…。

 

 

「いい加減、覚えてくれなくちゃ困るよ」

「…だから〜…これ、この前も教えたよね?」

「ん〜場合によるんだよね…もっと臨機応変にというか…。」

「メモとってちゃんと家で見返してるの?」

 

 

はい…はい…と返事をしながらも

気持ちだけは、どんどん萎縮していったのです。

 

 

陰口・ヒソヒソ

 

一ヶ月後、自分の後ろでヒソヒソ声や笑い声が聞こえるようになりました。

 

 

そしていくら仕事を覚えようと焦っても、その声にばかり意識がいってしまい余計にミスを連発。

 

 

その度に冷たい視線と笑い声が聞こえるのです。

 

 

怖かった…。怖くて怖くてそのまま走って逃げてしまいたかった…。

 

 

“自分の中の何か”が迷惑をかけてしまっている。でもそれが何なのかが、よくわからないのです。

 

 

ただ、人が自分に対して「…え?なにこの人?」と思ったかもしれない…

 

 

という空気感だけは敏感に察するようになって行きました。

 

 

君、勉強不足だよ

 

一ヶ月半くらい経った頃です。

 

 

ホールに立っていると50代くらいのサラリーマン風のお客さんにチョイチョイっと手招きされました。

 

 

「オススメのお酒どれ?」

 

 

当時私は18歳のでお酒のことはよくわかりませんでした。

 

 

だから「未成年なのでわからないです、すみません。。」と言いました。

 

 

すると、お客さんは顔を歪めて

 

 

「え?君の好き嫌いじゃなくてこの店で一番売れてるのはどれ?って聞いたの。」と。

 

 

…やばい怒らせた。一刻も早く何とかしなくては、と思った私は

 

 

「えっと…確認して来ます!!」と走って、先輩のところに行こうとしました。

 

 

すると…はぁ〜…。という大きなタメ息とともに

 

 

「…ちょっと。。…もういいよ、いっこもんのロックで。」

 

 

と呼び止められました。

 

 

その瞬間。そのたった数秒の間に私はその人に何かを見られ、そして何かを諦められたのです。

 

 

そんなことを考えていると、今なんて言われたのかを忘れてしまい

 

 

「すいません、もう一度いいですか?」恐る恐る聞き返す…。

 

 

「だから!いっこもんのロックだって!」大きな声で一括!

 

 

「わかりました!“いっこもん” と “ ロック ”ですね!」といって、メモを取って立ち去ろうとすると

 

 

「…ちょっと待って、いっこもん “と” ロック?…ってなに…?“と”?…どうゆうこと?」

 

 

「…えっと、いっこもんと、ロックを一つずつ…ですよね…?」

 

 

突然お客さんは声をあげて笑い出しました。

 

 

「君おかしいよ。ロックってお酒があるの?この店ww」

 

 

私は訳が分かりませんでした。

 

 

ただただ心臓が脈打つのを感じ、音が漏れてしまうのではないかとすら思いました。

 

 

そして一気に汗が脇の下をつたうのを感じました。。。

 

 

先輩が教えてくれていたにも関わらず

 

 

私はお酒にロック・水割り・ストレートなどの飲み方があることを理解できていなったのです。

 

 

そのお客さんは、他の従業員にもその話をしてしまい

 

 

結局お客さんが帰った後も、全員に笑われてしまいました。

 

 

あの時は、ただただ恥ずかしくて恥ずかしくて隠れたかったです。

 

 

バイトに行きたくない

 

できない。できない。どうして私はできないんだ。

 

 

飲食向いてないのかな?それともこんなところでつまずくなんて根性なさすぎるかな…。

 

 

休日も、授業中も、寝る前も、ずーっとバイトのことをひたすら考えました。

 

 

考えれば考えるほど行きたくなくなり

 

 

行きたくないと思っているのに自分の中の妙な正義感が背中を押します。

 

 

“でもここで逃げたら逃げ癖がついちゃうでしょ”…と誰かの声が聞こえた気がしました。

 

 

そうだよね、続けていかないと分からないことってあるよね…。

 

 

そんなことを言い聞かせながらなんとかバイトに向かっていました。

 

涙の牛すじキャベツ

 

ある日、出勤すると明らかに自分だけが孤立しているのを感じました。

 

 

いじめ…とまでは言わないけれど、私は何だか仲間に入れないようなのです。

 

 

居づらかった…。本当に居づらかった。

 

 

常に自分が変な行動・変な発言をしてしまわないかに気を使いました。

 

 

そして気を使えば使うほどに、空回りしてやるべきことがおざなりになる…。

 

 

誰かが私の前にスプーンがいっぱい入ったザルを置いた。どうやら大きいスプーンと小さいスプーンを

布巾で拭いてそれぞれ別の入れ物に入れるらしいのです。

 

 

だがそれさえも私は間違って入れてしまいました。

 

 

「これ、、こっちが大きい方だってば。」と何度も注意されました。

 

 

出勤するたびに言い方が鋭くなっていくのを感じました。

 

 

そしてその度に、私はこんなこともできないのかと落ち込んでいきます。

 

 

その時でした。

 

 

「花さんちょっと付いて来て。」店長が一言。

 

 

あそこのお客さんが牛すじキャベツを2つ頼んだから炒め方、教えるね。

 

 

はい…。

 

 

そのお店では牛すじキャベツの注文が入ったら

 

 

お客さんの席まで行って店員が目の前で炒めてあげるというパフォーマンスがあったのです。

 

 

私は店長の後をついて行きました。

 

 

「こうやってまずは端っこの方から〜」店長は丁寧に私に見せながらそのやり方を教えてくれました。

 

 

お客さんの前でやるのは怖かったけれど、できるだけ言われた通りにしようと

 

 

私は見よう見まねで必死にやりました。

 

すると

「花さん…大丈夫だよ。最初は誰でもできないから。一つずつできることを増やしていけばいいんだよ。」

 

…店長が小声で囁きました。

 

……!

 

まさかの優しい言葉…。

 

 

その瞬間。

 

 

私の中で今まで、少しずつ積み重なっていた“頑張れの山”が…ガラガラガラ〜…と、音を立てて崩れだしました笑

 

気づくと私は牛すじキャベツを炒めながらお客さんの前で大泣き笑

 

 

…んっ…んっ…ひっ…ひっ…。うーん、止まらない。

 

 

やばいやばい今私なんかめっちゃくちゃやばいことになってる。

 

 

そう思えば思うほど、もう止まりませんでした。

 

 

「…え…ちょ…!花さん後はやるからちょっと外行ってきな。」

 

 

店長にそう言われ、私はヘラを机に置いて店を飛び出しました笑

 

 

そこからはもう、よく覚えていません。

 

 

向いていなかった

 

今思えば、あの物覚えの悪さはADHD(ADD)の症状から来ていたように思います。

 

 

もちろん努力で改善できたこともあったはずだけれど、それにはいろんな対策と時間がいります。

 

 

そして何より、そもそも向いていないことを我慢して続けていたら

 

 

うつ病になるのも時間の問題だったと思います。

 

 

人には向き不向きがある。

 

 

そしてそれは自分にしかわからないのです。

 

 

この居酒屋バイトでの経験をもとに私は

 

 

  • 物覚えが悪い。
  • 臨機応変に対応することが苦手。
  • 二つのことを同時にできない。
  • うるさい場所だと他の音に気を取られて指示が頭に入ってこない。

 

 

など、自分の特性に気がつくことができました。

 

 

当時のことは、今でもすごく嫌な記憶として残っているけど、これも経験したからわかることです。

 

 

そう“やってみないとわからない”

 

 

やってみて“向いていない”と感じたのならそれは自分の人生にとって掛け替えのない収穫です

 

 

あとは、どうしてできなかったのかを考えて次の行動を選べばいい。

 

 

“どうやったら自分に会ったスタイル”を作ることができるのか。

 

 

そう考えて一つ一つ“できること”をやっていけば

 

 

ADHD(ADD)でも必ず道を見つけられる。

 

 

少なくとも私はそう信じて、今こうやって記事を書いています。

 

 

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カテゴリ:ADHD関係  [コメント:2]

コメントは2件です

  1. K より:

    はじめまして、突然ごめんなさい。

    現在私が置かれている状況が全くと言って良いほどこの記事と同じで、びっくりしたのと感謝を伝えたくてコメントさせていただきました。

    最近ADDの自覚が出てきて、ネットで調べていた所このサイトを見つけました。

    詳しく書くと長くなってしまうのでこれだけ言わせて頂くと、
    不安だらけで辛かったのですが、自分一人だけじゃないと勝手に励まして頂きました、ありがとうございました!

    この記事に1番深く共感したのでここにコメントさせていただきました。
    長々と失礼しました。

    • 花 さおり より:

      初めまして。返信おくれてすみません。
      私もずっとADDで悩んでいて、もしかしたら私と同じように悩んでいる人が
      世の中には沢山いるんじゃないかと思ってこのサイトを作ったので
      今このコメントを見つけて本当に心から嬉しく思っています。

      いたー!私の仲間、いたー!!みたいな感じです。

      このサイトを作り始めたのが今年2018年に入ってからなのですが
      Kさんが初めてのコメントです。
      会ったことはないけれどきっと私と同じような思いを
      日常生活でしていて、本当に辛くて辛くて誰にも理解されなくて
      ネットで調べてやっと、たどり着いてくれたのだと思います。

      でも大丈夫です。絶対に大丈夫です。必ず自分に合った道はあります。
      ADDは人と同じようにできないぶん、裏を返せば“自分にできること”が絞れます。
      だから人よりも、自分に合った生き方が見つけやすいのではないかと思うのです。

      私は今、何とか自分の好きなこと、自分に合ったことで収入を得て生活していけないかと
      色々生き方を模索しているところで、実際に「こうしたらうまくいったよ」と言うのを
      まだ具体的に言えない段階なところが何とも心苦しいですが
      これだけは言えます。大丈夫です。言い切ります笑

      Kさんにとって今年がとても良い一年になりますように。心から祈っています。

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この記事を書いている人

ADHD(ADD)グレーゾーンのシンガーソングライター“お花”です。

25歳の秋にすごく悩んで、病院に行ったのをきっかけにブログを始めました。

猫とギターと絵を描くのが好きです。


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